「有名なロシアのバレリーナが最近亡くなったらしい」という話チラリを聞いた。
えっ、まさかマイヤ・プリセツカヤ?!とうとう・・?
プリセツカヤとは、高名なロシアのバレリーナ。
「瀕死の白鳥」がとても有名で、
一度東京で、生の舞台を見る機会がありました。
当時もう70歳もとうに過ぎているというのに、
白鳥のチュチュ姿、美しくひきしまってまっすぐな綺麗な足で、「瀕死の白鳥」をチェロの伴奏で踊りました。
とてもじゃないけれど、70過ぎには絶対に見えない美しいお姿でした。
で、ネットで調べてみると、どうやらマイヤ・プリセツカヤではないみたい。
プリセツカヤはまだ存命らしい。
そしてわかったのは、
ナターリャ・ベスメルトノワというバレリーナが亡くなったということ。
ところでその亡くなったバレリーナの名前を知る前日、
人からバレエのDVDを頂いた。
ひとつはボリショイ(白鳥の湖)でもうひとつはパリオペラ座(バヤデール)。
このボリショイのDVDは相当古いみたいで色が褪せている。
きっとソ連時代の録画だね、なんて言いながら見ていたけれど、色はともかく、
もう、もう、美しいのなんのって。こういうの、一流というんですね、きっと。
動きが、なんというかエレガンスの極致。
パリオペラ座のバレエの2倍も3倍も綺麗でエレガント。そんな気がする。
コール・ド・バレエだって、ピタッと揃っていてすごい。
背の高さも見事に揃っていて、整然とし、幻想的な白鳥の湖が広がる。
それに比べてパリオペラ座のコール・ド・バレエは、結構バラバラなんですよ。
そして結構誰かが転倒したりする、、、。
初めて目撃した時はもうすごいびっくりした。
そして、やはりフランス人はロシア人に比べて小柄ですね。
足や手の長さも差があるような気がする。特にプリマ。
バレエはスタイルがとても重要だものね、、、。
このボリショイ、オーケストラもまたすごくいい演奏をしている。
バイオリンのソロの美しいこと!
クラリネットやトランペットのソロ・メロディーも惚れ惚れ!
なんだか何もかも、上等の舞台で感動です。
こんな完璧とも思える舞台、、これはソ連時代の賜物なのかもしれません。
まさに、芸術にとっては古きよきソ連時代の、ボリショイバレエ団のDVD。
このプリマバレリーナが、また凄い。
何が凄いかというと、腕と手。
腕の動きがまるで、羽のようです。
このバレリーナ、腕がすごく長くて手が異様に大きいのです。
ほんとうに白鳥が羽を羽ばたかせているように見えるのです!
凄いよ、これ。
初め彼女が舞台に登場して踊りだした時
「あれ???手がデカすぎない?いくらなんでも、、ひょっとしてつけ指とかつけ爪かなにかで大きくしているの?白鳥の役柄だから?」なんて思いながら疑惑の目を凝らして手を見ていました(笑)
見れば見るほど大きく見えて、、しまいには、気持ち悪いッ!て思うくらいに大きいんです。
これ絶対に作り物!なんて。
でも作り物だったらここまで神経行き届いた動きは出せないはずだしね、、
この手がホンモノだったら、このひと、白鳥専門かしら?他の役はできないんじゃない?なんて勝手なことを想像する始末。
そこでDVDに載っている名前をネットで検索してみました。
そして解った事が、
まさに、今自分達が喜んで見ていたDVDの、プリマバレリーナこそが、最近亡くなったというナターリャ・ベスメルトノワその人だったのです。
(前置き長くなりましたね)
享年66歳だったそうです。
なんともいえない不思議な感慨、、。
記事によると、ソ連時代の人気プリマだったようです。
彼女は高い地位、報酬、居心地のよい環境を手に入れていたため、
またトップクラスの人気を誇りファンも沢山いたために
亡命も移住もせず、ロシアに住み続けたそうです。
さて、検索中に
ナターリャ・ベスメルトノワの写真集を見つけました。
その写真集の中の一枚、拝借してきました。
彼女の「手」が大きく写っています。
ああ、、あの手は、、、ホンモノだったんだ・・・。
大きいでしょう??
この手がとても見事な動きでもって
ヒラヒラヒラ・・ふわふわふわ~~と、
舞うのですよ。。。
ナターリャ・ベスメルトノワの踊り「ボカリーズ」という題名のようです。
なんだかこの動画、すごく癒される・・・。
ひょんなことから初めて知ったダンサーでしたが、、、世間ではとびきり一流の有名ダンサーでした。
ご冥福をお祈り致します。
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