1月26日 プレイエル劇場
プログラム
Ludwig van Beethoven
Sonate n°17 en ré mineur op.31-2 テンペスト
Sonate n°23 en fa mineur op.57 熱情
Pierre Boulez
ソナタ2番
アンコール
Claude Debussy
前奏曲集1巻より「沈める寺」
この日はマチネーの演奏会(午後夕方にかけての時間帯)だからでしょうか、マエストロ・ポリーニはいつも見る燕尾服ではなく、スーツに色鮮やかな赤系のネクタイ姿で舞台に現れました。
CDのジャケットなどでもお馴染みの、いい色合いのネクタイとピシッとしたダンディなスーツ、とっても素敵でした。
ポリーニはピアノの前にすわるとすぐに弾きだし、
プログラムの1曲目、テンペストの1楽章が滑らかに始まりました。
2楽章まではまだ自分という聞き手側の気持ちが浮ついていたようで、あっというまに過ぎ去りました。
3楽章、ここでこの日初めて、あのポリーニの音響を聞きました。
突然、コーラスの大合唱が始まったか?と思うような、ものすごい多声の、立体的な響きが、ゴールド色の・・

、燦然とホールに響き渡るのです。

ポリーニ音響

と呼ばせてください。
出ました!出ましたよ!ああ、この音、、、幸せ一杯になります
一気に目が覚めます。(寝ているわけではないのですが)ポリーニだ!と実感する瞬間です。
熱情、1楽章、終わりのほうで、激しく早いパッセージありますよね、あそこ、(わからんって!?すみません、具体的に説明できないんです)ポリーニ、いとも楽そうに弾くんですよね、、
まるで、手首に車輪がついているのか??と思うような動きなんです、なんというか、スースースーと、手の形は殆ど変らず、安定したま手首腕だけが左右に滑るように移動している。。。あんまり滑らかで、目を見張ります。
ペダルは、かなり細かいパッセージでも拍ごとに踏み変えている??と思うくらい、すごく細かかったです。
熱情のような曲想で、よく味わえるのが、
ポリーニのストイックな情熱というか、
青春の情熱というか、
この人は、どんなに年をとっても精神がいつまでも青春真っ只中の青年のように若いんだな、、と思うような瞬間が時々があります。
ストイックで、美しすぎて、頂点まで駆け上がってまっすぐ届くような、情熱のほとばしり、そういうのを感じるときがあります。
思わずドキーンとして、じわっと目頭が熱くなる瞬間です。
2部ではブーレーズのソナタが演奏されました。
初めの方は、おもしろく聞いていられたんです。
なんだかすごい立体的なんですよね、、
コンテンポラリー絵画みているような感覚を覚えました。
こことあそことあっちにこういう図形があって、
そのなかに、こういう模様があって、
そのそれぞれの模様がそれぞれの音を出している、
っていうような、不思議な絵画的な感覚。
でもこの曲ちょっと長すぎでした・・・
・・途中で飽きてしまいました・・・
ポリーニが弾いているのに・・・
眠くなってしまいました・・
30分くらい演奏されていたでしょうか、、、
長かったぁ~~~
全体のトーンが暗めというか何と言うか、、
現代曲でもメシアンだと(もちろんブーレーズのほうがコンテンポラリーなんですが・・)
もっと明るくて、色彩豊かで、楽しめるんですけれど、メシアンが特別なのか??
なんでコンテンポラリーってこう、、ホラーっぽいのが多いの??
コンテンポラリーって、YOU TUBEでみると、楽譜おいて弾いているピアニストもよくいます。
この前プレイエルで聞いたローランエマールだって、ベンジャミンとやらの曲は楽譜おいてましたから。
でもポリーニは楽譜無しでした、しかも軽々と演奏していたなぁ、技術的な難所なんて全くないよーーという風情です。さすがだー。。。
すべて演奏が終るとブラボーー!!!の嵐です。
舞台挨拶のときのポリーニは愛想がよいんですよね。
ぐるりと会場を丁寧に見回して、コミュニケーションしています。
気さくなイタリア~ンという感じの表情です。
でも、目はキラリとするどい光を宿しています。
(以前、いい席に座っていたときに、見えたんです)
この日はなかなかアンコールしてくれませんでした・・
ブーレーズで疲れてしまったのかなぁ。
ポリーニ、客席に向かって誰かをステージに招きました。
招かれてステージに上がったその人は、わたしの想像するところですと、ブーレーズ氏ではないかと。
二人で、手をとりあってほおにキスして、喜び合っている模様、カーテンコールも、ブーレーズの手をとり舞台に招いて一緒にでてくるんですよね。
何度一緒に出てきたかな??手をつないでくるんです(笑)
何度もでてくるのはいいけれど、ちっともアンコール弾いてくれない~~~!
ちょっとーーブーレーズはもういいからアンコールしてよー!ってヤキモキしました。
やっと、1曲だけ弾いてくれたのは、「沈める寺」。
pppからfffまで美しい音を堪能しました
この日はそれで終わりでした
会場では皆がしつこく手を叩いて待っていたのですが、
会場にライトがついて明るくなってしまいまい、コンサートはお終いになりました。
ブラボーーーー!!!マエストロ!
この日も、素晴らしいピアノを、ありがとうございました!

マエストロ・ポリーニに乾杯!

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